LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

第85回 さぬきエメラルド(キウイフルーツ)

地域からニッポンを元気にする、よしもとの一大プロジェクト“あなたの町に住みますプロジェクト”。香川の住みます芸人“梶剛”さんが県産品をレポートしてくれます。

リポーター

うどんのように太く長く愛される芸人を目指しています!これからの梶剛に乞うご期待!

梶 剛(かじつよし)

NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ

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香川県は全国有数のキウイ大国。なかでも善通寺市はキウイフルーツの栽培が盛んな場所。2024年度には新しい品種「さぬきエメラルド」の出荷が始まりました。11月、梶さんは善通寺市にある収穫を終えたばかり天雲さんの農園を訪ねました。

  • さぬきエメラルドの特徴

    香川県では、1987年にオリジナル品種 香緑が誕生して以来、さぬきゴールド、さぬきエンジェルスイート、さぬきキウイっこ®と数々の品種を開発してきました。
    2024年度から販売開始したさぬきエメラルドは、これまでの品種同様、おいしいことはもちろん、栽培しやすさなど、さまざまな強みを持っています。

  • たとえば、育てやすさでいうと、新芽のツルの巻き付きが少なく剪定などの作業がしやすいこと。果実が病気や摩擦に強いので袋掛けがいらないこと。そして、日持ちがするので、さぬきゴールドの出荷が終了した年明けも出荷が可能というメリットがあると、生産者の天雲一壽(てんくもかずひさ)さんが教えてくれました。

  • キウイ栽培に適した善通寺市

    天雲さんの農地は善通寺市吉原地区の山の斜面にあります。長年みかん栽培をしていましたが、2003年にキウイに転換し、香緑を栽培してきました。そして、2023年に香緑に接ぎ木して、さぬきエメラルドの栽培をスタート。2024年に初出荷しました。

  • 「みかんとキウイは栽培環境が似ているのですか」と梶さん。みかんもキウイも日当たりのよい斜面地と、水はけのよい土という条件は共通していますが、大きな違いは、キウイには水が必要であることだと天雲さんが教えてくれました。
    善通寺市は水が豊富で、天雲さんの農園は池から水を引いて散水しています。しかし、近年は猛暑の夏が続いており、気温によって水をやる時間や回数を変えるなど、暑さ対策も苦労しています。

  • 収穫が終わると剪定して枝を整理

    収穫が終わり、葉が落ちた12月から2月にかけて枝の剪定をします。主枝(しゅし)の脇から伸びた枝や上に向いた枝など、不要な枝を整理して適度に日が当たるようにするのです。葉が重なりすぎると日が当たらず栄養がまわらなくなり、枝を切りすぎると夏に日が当たりすぎて枯れてしまいます。
    「適度に日が当たるように、枝がどう広がるかを想像しながら剪定するのが難しい」と天雲さん。試行錯誤の様子が伺えました。

  • 一つ一つの花を手作業で受粉

    4月に花のつぼみができると、中心のつぼみの脇にある、2つの「側花(そくか)」を落とす作業をします。10アールあたり約10万個の側花を落とし、5~6万個のつぼみを残します。
    5月上旬に花が咲くと、次は受粉作業です。キウイにはオスとメスの木があり、雄花の花粉を雌花に受粉することで実がなります。雄花は5月中旬に咲くので、前年の雄花の花粉をとっておき、粉末状にしたものを溶液に溶かして、ハンドスプレーで雌花に吹きつけます。受粉が成功すると1週間ぐらいで小さな実ができます。

  • 摘果の作業でよい実だけを残す

    受粉の次は、「摘果(てきか)」の作業です。一つの枝には4~5つの実がなりますが、間引いて2~3つに減らします。主枝に一番近い実は変形しやすいので落とします。また、主枝から遠い実は小玉になりやすいので落とします。枝になる個数や実についた傷を見ながら、よい実だけを残していきます。
    「そんなにすこい数を手作業でするんですね」と梶さんも驚いていました。

  • 糖度検査に合格したら収穫開始

    収穫は10月中旬から下旬の、まだ実が硬いうちにおこないます。本格的な収穫の前に糖度検査と硬度検査があり、合格したら収穫開始です。糖度の平均が16度以上になると、もっとも等級の高い「特秀」として評価されます。

  • 収穫は手でやさしく実を包み、根元の軸(果柄)を親指で押して採ります。収穫したての実は硬くて甘くありません。「追熟(ついじゅく)」期間を経て甘くなります。
    「ご家庭なら、りんごと一緒に袋に入れておくと追熟ができますよ」と天雲さんが追熟のコツを教えてくれました。

  • 食べるときは、「くし切り」がおすすめ

    ずっしりと大きなさぬきエメラルドがずらり。天雲さんが追熟した食べ頃のさぬきエメラルドを用意してくれました。切り口が宝石のようにきらめいています。
    「半分に切ってスプーンですくって食べてもよいですが、おすすめはくし切りです」真ん中の甘い白い部分から糖度が広がっているので、甘さ均等になって、バランスよく味わえるのだとか。

  • パクっと一口でいただいた梶さん。「めちゃくちゃおいしい。酸味が少なくて甘みをしっかりと感じます」
    これまで数々の香川県のブランドキウイを食べてきた梶さんも、さぬきエメラルドの甘さとジューシーさに感動していました。

  • 2024年に販売が始まったさぬきエメラルド。
    「これまでのキウイ栽培の経験を生かして、もっとおいしいキウイを作って、たくさんの方に食べてもらいたいです」と天雲さんが思いを語ってくれました。梶さんもこれからの発展を楽しみにしています。

  • 生産者 天雲一壽さん

    天雲さんは代々続く果樹農家の4代目。現在はJA善通寺地区キウイ部会の会長を務めています。会社勤めをしながら農園を手伝い、定年後に本格的に農業に携わっています。さぬきエメラルドの栽培は、品種登録出願した2022年の当初から参加。丁寧な作業と工夫を重ね、品質向上を目指しています。

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