LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

第77回 さぬきひめ(さぬき姫)

地域からニッポンを元気にする、よしもとの一大プロジェクト“あなたの町に住みますプロジェクト”。香川の住みます芸人“梶剛”さんが県産品をレポートしてくれます。

リポーター

うどんのように太く長く愛される芸人を目指しています!これからの梶剛に乞うご期待!

梶 剛(かじつよし)

NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ

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香川県のいちご栽培は大正時代に始まりました。2005年には香川県のオリジナル品種「さぬきひめ」が誕生。2月末の春めいてきた頃、梶さんは「さぬきひめ」を栽培する香川県観音寺市の讃久農園(さんきゅうのうえん)を訪れました。

「さぬきひめ」の表記について
 流通・販売段階では「さぬきひめ」と表示していますが、登録品種名は「さぬき姫」です。

  • 香川県オリジナル品種のいちご「さぬきひめ」

    香川県の西部の燧灘(ひうちなだ)に面する広々とした農場にたくさんのビニールハウスが並んでいます。このビニールハウス内で讃久農園はいちごを栽培しています。讚久農園の久保俊輔(くぼしゅんすけ)さんが案内してくれました。
    「たくさん実っていますね。まさに収穫の最盛期」赤く色づいたいちごに梶さんも思わず顔がほころびます。
    「暖かくなるにつれて、いちごが次々に色づいています」と久保さん。

  • 「さぬきひめ」は香川県のオリジナル品種。2005年に当時のいちごの代表品種「とちおとめ」「さちのか」「さがほのか」を交配して育成されました。
    「さぬきひめ」の品種名には、さぬき生まれのいちごをたくさんの人にかわいがってもらいたいという思いが込められています。香川県全域で栽培されており、年間約1,650トンが出荷されています。

  • 収穫時期は11月~6月頃まで。1月~2月の寒い時期は、ゆっくり、じっくり育ち、暖かくなる2月末頃から収穫量が増えてきます。讚久農園では4棟のビニールハウスで年間100トンを収穫しています。
    「いちご1個の重さは軽いので、100トンというとすごい量ですね」と梶さんも驚いていました。

  • 香川県の「らくちん栽培」で作業効率化

    「さぬきひめ」は地面よりも高いところで栽培されています。いちご専用の養液で育てる「高設式養液栽培」という方法で、香川県では「らくちん栽培」と呼ばれています。
    「立ったままで作業ができるので、作業効率がいいんですよ」と久保さん。昔のいちご生産者は管理や収穫のときに腰を痛める方も多かったのだそう。香川県では90%以上のいちご農家で「らくちん栽培」などの高設式栽培が採用されています。

  • ITを活用した「スマート農業」で栽培技術をデータ化

    「讃久農園ではITを活用した『スマート農業』にも取り組んでいると聞いたんですが」と梶さん。
    「温度」「炭酸ガス(CO2)濃度」「日射量」などのデータを蓄積して、パソコンやスマートフォンで見られる「さぬきファーマーズステーション」というシステムを取り入れていると久保さんが教えてくれました。「かっこいいですね」と梶さんも興味津々。

  • 「さぬきファーマーズステーション」の機械はハウス内に設置されています。この機械が換気扇、暖房機、炭酸ガス(CO2)発生措置、電照、水やり装置を設定に基づいて全自動で動かします。たとえば、温度が何度以下になったら暖房機を回すこと、炭酸ガス(CO2)濃度が何ppm以下になったら炭酸ガス(CO2)を発生させることなどをあらかじめ設定しています。

  • 水やりは、水やり装置で、濃い養液(肥料)を水で薄めて与えています。従来の土耕栽培*1は、雨が降ると地下水が入り込み、水やりの量が調整しづらかったのですが、「高設式養液栽培」になったことで、水の量を正確に管理できるようになりました。

    *1 土耕栽培とは、ハウスなどの設備内で直接土で栽培する方式のこと。

  • 晴れた日とくもりの日はいちごの水の吸収量が違います。水をやり過ぎると味が水っぽくなってしまうし、足りないと生育が悪くなってしまいます。累積日射量のデータをもとに水やりの量を最適化しています。
    「農業はそんなに進化しているんですね」梶さんが驚いている横で、炭酸ガス発生装置が作動して送風を行っていました。

  • 「IT化によって農家の労力は減りましたが、単にIT化すればよいというものではありません。水やりや温度管理をどう設定するかは、それぞれの農家の腕次第なんですよ」と久保さん。
    讚久農園ではこれまで農家の経験やカンに頼っていた技術をデータ化して、品質向上、収穫量の増につなげています。

  • 香川のいちご「さぬきひめ」の収穫体験

    梶さんはいちごの収穫を体験してみることに。
    「いちごの大きさは関係なく、実が赤くなっていたら収穫時期です」と久保さんが収穫の目安を教えてくれました。実をつぶさないように、やわらかく握ってひねると果柄(かへい)*2からポロッと外れます。
    「これ採ってもいいですか?」梶さんも実をつぶさないよう大切に収穫。

    *2果柄とは、枝や茎から分かれて細く伸び、その先に果実をつけている部分。

  • 「『さぬきひめ』は大きくて丸っこい形が特徴なんですよ。ぜひ食べてみてください」
    梶さんはすすめられて、採りたてを試食。
    「うまい。甘い、そしてみずみずしいですね。でも甘いだけでなく、いちご本来の酸味も感じて、本当においしいです」
    香りが豊かで、甘味と酸味のバランスがよい「さぬきひめ」は、なにもつけずにそのまま食べるのがおすすめです。

  • 「さぬきひめ」関西方面にも出荷されています

    ここで生産されたいちごは20年ほど前から関西の大手スーパーに出荷しています。
    朝に収穫した「さぬきひめ」はその日の昼に出荷され、翌日の朝には店頭に並びます。
    久保さんは、もっとおいしい「さぬきひめ」が届けられるようにと、毎年問題点を振り返り改善に取り組んでいます。

  • 「これからもITを活用しながら新しいことにチャレンジして、たくさんの人に『さぬきひめ』を届けたいですね」
    地道な努力と最新技術でおいしいいちごが生まれているということに感動した梶さん。「本当においしい『さぬきひめ』をぜひ食べてみてほしい」と力を込めていました。

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