LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

冬なお温かい讃岐(さぬき)では、青空の下、ため池が輝き、山並みの緑は濃く、ときに陽だまりは春のよう。そんな讃岐路のおすすめスポット、今回は香川県の真ん中で、山から田園地帯へとおだやかに広がる綾川町です。

道真公ゆかりの清流の地・綾川町

香川県のほぼ中央に位置する綾川町は、平成18年3月に綾上町と綾南町が合併して誕生しました。町の名前は、町内を流れる綾川に由来しています。上流の柏原渓谷は、「水源の森百選」、「さぬきの名水」にも選ばれた清流の地。流域には、長柄ダムや府中ダムもあり、地域の大切な水源でもあります。中流に架かる滝宮橋は赤い欄干が美しく、付近には道の駅や滝宮公園、滝宮天満宮があり、念仏踊りでも有名な滝宮神社には、その昔はここが香川県の中心であることを表したという国分石(境石)が残されています。ここ滝宮には、かつて讃岐の国司として赴任してきた菅原道真の別館があったと伝えられています。時には、綾川のほとりをそぞろ歩いた道真公は、「花は巌の辺に発きて 半は流れに入り 紅匂ひ緑きよくして 両つながら悠悠たり・・・」と詩を詠んでいます。

受験の神様「滝宮天満宮」

学問の神様として知られる菅原道真公をまつり、毎年、多くの受験生が合格祈願に訪れる滝宮天満宮。初詣には受験を控えた多くの親子連れが訪れ、花咲く春への願いが込められた絵馬がずらっとかけられています。道真公は誕生日も命日も太宰府に左遷された日も25日だったと伝えられています。そこで、1月25日には「お初天神」が行われ、しめ縄やお札、みかんを炎で燃やし一年の無病息災を祈ります。

境内の敷地は、一説には道真公が4年間讃岐の国司を務めていたときの官舎があったともいわれ、今では道真公ゆかりの梅の花が植えられています。太宰天満宮から贈られた「飛梅」をはじめ約100本の梅の木が、早春には香り高く咲き誇ります。毎年、2月下旬の日曜日には「梅花祭」が行われ、抹茶や和菓子のお接待もあります。
また、4月24日には、木彫り人形の「うそ鳥」を交換して幸せを願う「うそかえ神事」やさぬきうどん発祥の地ならではの「献麺(けんめん)式」、うどん祭りも行われます。

イチゴ狩りもできる道の駅

高松と琴平を結ぶ国道32号沿いにある道の駅「滝宮」。さぬき百景の一つにも選ばれた滝宮公園を望む高台にあり、綾川の流れを見下ろし、滝宮神社や滝宮天満宮へも歩いて5分ほどで行けます。この道の駅には、産直・カフェテリア・うどん会館・うどんレストランがあり、12月から6月下旬までは、いちご農園も開園します。また、8月以外の偶数月の第1土・日曜日には、屋外でフリーマーケットも開催されています。

お土産品がずらっと並ぶのは「ショップ綾川」。香川県内の銘菓や綾川エリアの産物、健康食品も充実しています。また、うどんせんべい、うどんかりんとうなどのうどんに関係したお菓子も並び、香川県産小麦「さぬきの夢2000」も販売されています。もちろん、地粉を使った半生麺セットもずらっと並び、うどんに合う醤油も販売されています。ここは、うどんアイスが味わえることでも有名です。
隣の「カフェテリア32」では、うどんめし、うどんdeグラタンなど、さぬきらしいメニューもあり、ちょっと一休みにはおすすめ。
また、手打ちうどんが味わえる「さぬきうどん滝宮」では、「かけうどん」から「うどんすき」、どんぶり物やセット物など、充実したメニューがそろい、家族連れにも喜ばれています。ここは、「さぬきの夢2000」を100%使った認定店。それも綾川町内産小麦を使った正真正銘地元のさぬきうどんが味わえます。3日前までに予約をすれば、「手打ちうどん教室」でさぬきうどんづくりを体験することもできます。

道の駅休館日 第1第3火曜日
電話087-876-5018
道の駅滝宮HP  http://www.ryonan-udon.co.jp/

そして、12月~6月まで、その場でいちごを摘み取って食べ放題という「いちご農園」も開園します。みずみずしく果汁がたっぷりで甘い香りがたまらない完熟イチゴ。イチゴ狩りならではの最高のイチゴを味わってください。

■予約電話 087-876-5215

うどんさぬきうどん発祥の地のうどん店

綾川町はうどん発祥の地とご紹介しましたが、それにはこうした話が伝えられています。空海の甥で大師の十大弟子の一人、智泉大徳(ちせんだいとく)という人がおりましたが、その出身地がここ綾川。大同2年(807年)の秋のこと、父の病でこの地に帰郷した智泉は、弘法大師の指導によって父母に麺を作って食べさせたと伝えられています。そして、それが最初に作られたさぬきうどんではないかと言われているのです。また、昭和40年代ころまでは、綾川沿いに水車があり、周辺の麦畑で作られた麦から粉をひいていました。そのため、製めん所やうどん店も多くあり、幕末にはこんぴら街道の宿場町であった滝宮には11軒ものうどん屋があったそうです。
そして、今でも町内には、うどんの名店が何軒もあります。例えば、“かまたま”で有名な「山越」。“かまたま”とは、釜からゆであがったうどんに生卵をかけ、だしをかけていただくというもの。うどん界のカルボナーラといわれています。製めん主体のうどん店の代表格は「田村」。メニューはかけうどんとしょうゆうどんの2つ。麺が自信の店で、まさにさぬきうどんのコシの良さ。「松岡」は誠実なうどんづくりで知られ、絶妙な歯ごたえがたまりません。冬はしっぽくうどんもあります。「赤坂」という建物もレトロなうどん店は、庭で作ったネギを自分でハサミを使って入れます。ほかにも、玉吉、はゆか、安藤うどん、池内、味覚苑などなど、またうどんが出る喫茶店スタートもあり、さぬきうどんめぐりにもおすすめの綾川エリアです。

銘菓とうどんクッキ~

コトデン電車の滝宮駅から歩いて5分、旧国道、こんぴら街道沿いにある「ほくろ屋菓舗」。天満宮などからも近く、綾川町ゆかりの“うそ鳥まんじゅう”“管公”“梅の里”などの和菓子を作り続けてきました。その上、 “抹茶フィナンシェ”、“梅まる”といった焼き菓子が有名で、なんと“うどんクッキ~”を生み出したのです。滝宮で生まれ育ち、一度は県外に出て菓子の修行をした2代目の山田 泰史さんが、大好きなさぬきうどんを使って自慢の焼き菓子を創りたいと思い立ち、試行錯誤を重ね、研究の末に生み出した傑作です。うどんとちりめんじゃこを素材にした新食感のクッキー。お土産にもどうぞ。

ほくろ屋菓舗
電話087-876-0096
http://www.hokuroya.co.jp/

主基斎田の話と合鴨米など綾川産の米

ここ綾川町は、その昔からおいしいお米がとれるところとしても知られていました。天皇の即位式典である大嘗祭(だいじょうさい)に備える新穀を栽培する田を斎田(さいでん)といい、大正天皇即位の際には、全国で2カ所が選ばれましたが、その一つが綾川町内に残る主基斎田でした。斎田跡には主基斎田記念碑が建てられ、当時のお田植え風景を後世に伝えようと、毎年6月には保存会の手によって「お田植えまつり」が行われています。
そんな土地柄の綾川では、今でもおいしいお米が作られています。綾川町産コシヒカリ100%のお米や、合鴨を水田に放って栽培した限定販売の“あいがも米”など。また一部には、古くから高貴米として知られる“香り米”や、古代米の“赤米”、“黒米”なども作られています。

ライスパワー

ライスパワーエキスとは、こうじ菌や酵母などの発酵法の組み合わせによって作られたもので、微生物の組み合わせにより、効能の異なったライスパワーエキスができ、現在36種類も開発されています。その内、実用化されているものが9種類。例えば、ライスパワーエキスNO11は、皮膚の水分を保持する能力を改善する世界初の素材として2001年に厚生労働省から医薬部外品の新規効能、新規有効成分の承認を受けました。このNO11を高配合したスキンケアベース液が「リエイジングエッセンス」。化粧水などの基礎化粧品の前に使うベース液で、角質層で水分保持に働くセラミドを増やしてくれます。

綾川町内には、そのお米の威力を生かした企業があります。「勇心酒造」は、安政元年創業で代々酒造業を営んでいましたが、昭和43年ころから米の総合利用研究に取り組み、米からの基礎素材ライスパワーエキスを開発し、昭和62年にお米としては初めて、厚生省(現在の厚生労働省)から医薬部外品の有効成分として認可されました

勇心酒造株式会社
電話 087-876-4111
フリーダイヤル0120-73-4141
http://www.ricepowershop.jp/

陶の地と讃岐装飾瓦

綾川町には「陶(すえ)」という地名がありますが、その昔の須恵器の一大産地があったところといわれています。陶には、昭和30年ころまでは装飾瓦を作る職人の方も多くいましたが、昭和50年代後半には職人さんもすっかり数が減ったそうです。今では、綾川でも貴重な装飾瓦の職人である細谷 正雄さんを訪ねました。

細谷さんは、鬼瓦などの装飾瓦を造って32年。一人前になるには何年かかるでしょうか?という質問に、「一生やな」と答えるほど、いまだにその道を追求している職人さんです。装飾瓦というのは、現代住宅には縁遠くなりつつありますが、荘厳な神社仏閣や日本家屋には、屋根のすみや瓦をふいた塀の上に見える、壮麗・重厚な装飾を施した瓦で、竜や虎、布袋様や恵比須様などで、家内安全、家族の幸せを願ってつくられています。
また、水板と呼ばれる飾り瓦は、雲や水と竜、竹と虎、松に鶴や鷹などが物語の一場面のように美しく、そのデザインも職人さんが考えます。細谷さんが創り上げる装飾瓦は、もちろん一つ一つ手づくりで、デザインから完成まで何日も何ヶ月もかけてつくり上げられています。そんな仕事の合間には、ふくろうなどの小物をつくることもあるとかで、どれも無病息災、幸せを願う瓦製品です。

細谷 正雄さん
電話 087-876-2296

おふくろの愛100%

道の駅「滝宮」にも置いてある「もち麦かりんとう」は、綾川町綾上支部生活研究グループのみなさんが作っています。20年前に結成され、50代から80代まで、平均年齢70代とは思えない若々しいグループ。毎週水曜日(盆・年末には変更あり)に綾上支所の前で、冬は7時半から9時ころまで産直店を開いているという早起きのお母さんたちが、綾上の特産品を生み出したのです。さくさくの歯触りが心地よく、かみしめるとお口の中にほどよい甘さが伝わります。中四国商工会の特産品コンテストでグランプリにも選ばれた綾上自慢のお菓子です。

ほかにも、国産野菜や三温糖を使って作る「焼肉のたれ」。うどんだしや煮物に使う「本返し」。イベントの時だけに出品するイタドリの佃煮と酢の物などもあります。前日からの仕込みをはじめ、目に見えないたくさんの苦労に支えられ、商売以上の愛情が込められた品々です。

代表 石見 幸子さん
電話 087-878-1385

暖炉のあるコテージ

綾川町の南、山間部にある柏原渓谷は、約7kmにおよぶ自然豊かな清流の地。四季折々に美しい風景が展開される渓谷で、キャンプ場やペンションがあります。渓流沿いにおしゃれなコテージが建つのは「柏原渓谷キャンプ村 Tatuta(タツタ)の森」。フリーテントサイトやバンガローがあり、そして、キッチンや暖炉、ラドン泉のバスも付いているコテージは冬でも大人気です

管理棟には週末と祝日にオープンするカフェ「楓」があり、ステキなランチタイムも楽しめます。自然の中のほっとする時間、時には雪景色の柏原渓谷は、心まで清らかにしてくれるようです。

柏原渓谷キャンプ村 Tatuta(タツタ)の森
電話 087-878-3340
http://www.town.ayagawa.kagawa.jp/tatuta/index.htm

安心して子どもたちが食べられるジ

緑の山々と清流綾川に囲まれた地に建つ「株式会社 山清(やませい)」は、昭和13年の創業以来、開発から製造、販売まで一貫体制をつらぬいてきた食品会社です。「原料の栽培方法から契約農家の方々との話し合いを重ね、より良い生産体制を優先させ、素材一つから妥協を許さず吟味してきました。例えば、からしは、実際に産地の農場に出かけて作物を確認し、海外の認定機関で有機農産物と認証された作物に限り原料にしてきました。2001年には、日本有機農業生産団体中央会でJAS法の有機農産物加工食品製造業者の認定を受けています。こうして有機栽培の原料を使うのはもちろん、製造過程においても添加物を一切使わず、徹底的に安全安心の食品を送り出しているのです。「豆というのは、土の中のものを全部吸い上げます。付け焼き刃のような有機ではなく、何年にも渡って有機栽培を徹底しなければ、本当の安全な食品とは言えないんです」と、企画・広域チームリーダーの山下さんが、きっぱりと語ってくれました。

そうして生み出された製品は、金時印のあん、鬼からし、だんごの粉などの和穀粉。“瀬戸懐石しょうゆ豆”は、大粒の香川県産そら豆をじっくり煎り、しょうゆ、三温糖、とうがらしで作った液につけこんで作っています。“瀬戸懐石 有機大豆しょうゆ豆”は、国内産の有機大豆を使い、有機醤油、有機砂糖で仕上げています。

株式会社山清
電話 087-878-2231
フリーダイヤル 0120-512238
http://www.yamasei.jp/

現代の名工が仕込む地酒

綾川のほとり、江戸時代の寛政2年(1790年)に創業した「綾菊(あやきく)酒造」は、地元でとれた良質の酒米にこだわり、「地元の米で仕込んでこそ地酒」の精神をつらぬいてきました。綾菊がこだわる酒米は「オオセト」。品質改良の取り組みを続け、有機栽培にも力を入れています。全国新酒鑑評会では、通算19回の金賞に輝きました。その影には、蔵を率いる優秀な杜氏の存在があります。「現代の名工」にも選ばれた国重弘明氏、国重杜氏の名前をつけたシリーズも飲み応えがあります。

最近では、新商品の開発にも力を入れ、減農薬の花梨と自社蒸留焼酎、清酒のみで長期間熟成した“かりん酒”。香川県善通寺産のモチ麦を使った本格焼酎“ダイシモチ”、通常の焼酎より蒸留沸点を下げ時間をかけて昔ながらの製法で造る“昔造り”。カメ入りの“空海の道”、アルコール25度長期貯蔵米焼酎の“かめ焼酎”、鶯宿梅(おうしゅくばい)を漬け込んだ梅のエキス分が高い“うめ酒”いずれも人気を博し、予約時点で売り切れというものまであるくらいです。また、今期初仕込みの新商品は、江戸時代の技術を現代に再生した“山廃純米”。すっきりとした切れ味にコクとうま味が秘められた奥深い味わい、山廃らしい香りに、想像以上の良い出来というおすすめの銘酒です。

綾菊酒造株式会社
電話087-878-2222
http://setoumi.cool.ne.jp/ayakiku/

緑の中にお菓子の家

ヘンゼルとグレーテルが森の中でお菓子の家に出会ったように、田んぼの中に突然現れるスィートなお菓子屋さんが「昭和堂」です。一番に心がけているのは、家族みんなが楽しめ世代を超えて食べられるお菓子づくり。
また、季節感を大切に、四季折々のスィートを創作しています。また、地元の素材を使ったものも多く、“誉(ほまれ)ロール”は、和三盆とさぬきの夢2000を使っています。“醤油ベール”は坂出市の鎌田醤油さんの醤油とカマンベールチーズを素材にしました。

そして、綾菊酒造さんの吟醸酒を使ったチョコレート“酒ショコラ綾”は、大人のクリスマスやバレンタインデーにもおすすめ。2007年新春には、同じく綾菊さんの大吟醸酒を使った“酒ケーキ”が新発売されます。こちらも、大人が楽しむスィートです。
バターにこだわった焼き菓子は黒糖、珈琲、そばなど、15種類もあり、手軽な“ちび玉シュー”も大人気。いつも、甘い香りと、幸せそうな笑顔が見られる昭和堂です。

昭和堂
電話087-877-0447
http://showado.ftw.jp/index.html