LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

第74回 鶏卵

地域からニッポンを元気にする、よしもとの一大プロジェクト“あなたの町に住みますプロジェクト”。香川の住みます芸人“梶剛”さんが県産品をレポートしてくれます。

リポーター

うどんのように太く長く愛される芸人を目指しています!これからの梶剛に乞うご期待!

梶 剛(かじつよし)

NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ

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香川県は四国で一番、全国的にもたまごの生産が盛んな県です。
各生産者が工夫を凝らして、それぞれに特徴のあるたまごを生産しています。
香川県綾川町と丸亀市で、たまごの生産から料理までを梶さんがリポートします。

  • 温暖な気候の香川県は養鶏が盛ん

    梶さんは、たまごを生産している大林養鶏場の大林信一(おおばやし のぶかず)さんを訪ねました。信一さんが用意してくれた、今朝採れたての新鮮なたまごは赤みがかった色をしています。

  • 田んぼの面積が少ない香川県では昔から養鶏が盛んに行われてきました。朝晩が極端に冷えることがなく、雨も少なく温暖な気候条件が養鶏に適していると信一さんは言います。
    信一さんが養鶏を始めたころは、小さな鶏舎も含めて香川県には400軒ほどの養鶏場があったそうです。

  • おじいさんの代から3代続く大林養鶏場

    大林養鶏場は信一さんのおじいさんの代から始まっており、70年の歴史があります。信一さんは養鶏場を継いで50年。現在は約6千羽の鶏を飼っています。
    たまごの小売価格が低く抑えられ、それに対してえさの価格は高騰するという厳しい状況が20年ほど続いている養鶏業界。そのような中、信一さんは他のたまごとの差別化を図ろうと、商社でえさを研究していた経験をもとに、えさ作りに工夫を凝らしてきました。

  • えさはたまごの色と味に深く関係

    大林養鶏場では2種類のえさを独自の配合で作っています。
    1つ目は、鶏舎で育てている鶏のえさ(写真右奥)で、トウモロコシを中心に海藻の「ホンダワラ」(写真中央)を4%混ぜたものです。海藻には黄身をぷっくりと盛り上がらせたり、たまごの生臭さを少なくしたりする効果があるそうです。
    2つ目は、平飼い(放し飼い)の鶏のえさ(写真左奥)で、国内産の玄米と白米を中心に、あわやひえも配合しています。より健康な鶏を育てたいとの思いから、平飼いの鶏は自然に近い状態で飼い、国産穀物にこだわって与えています。

  • えさはたまごの色や味に深く関係しています。
    たまごの黄身が黄色いのは、えさのトウモロコシに含まれるβカロテンの色素が作用するため。パプリカをえさに混ぜて、さらに黄身の色を濃くしているメーカーもあるのだそう。また、海藻を混ぜることにより、黄身がより濃い色になります
    一方、玄米や白米にはトウモロコシのようなβカロテンが含まれていないため、玄米や白米を多くすると黄身の色が白っぽい色になります。比べてみると、その違いは一目瞭然です。

  • 「玄米のえさのたまごは、ゆでたまごにすると舌ざわりがさらっとしていて、なめらか。他のたまごとはひと味違うおいしさなんですよ」と信一さん。たまごのおいしさは、えさの配合の研究を積み重ねた成果。
    「えさを研究するのは、そういう理由なんですね」と梶さんも納得していました。
    信一さんのたまごは香川県内の道の駅などでも販売されていて、ファンのお客さんも多いのだそうです。

  • たまごの工場を見学

    採卵されたたまごはどのような過程を経て出荷されているのでしょう。
    梶さんは香川県丸亀市のフリーエッグ丸亀を訪れました。
    「この工場には、高松市から愛媛県四国中央市までの養鶏場で採卵されたたまごが毎朝届きます」
    案内してくれた大坂健司(おおさかけんじ)さんが教えてくれました。

  • 一日12万個、年間にすると4,400万個(3,000トン)のたまごが集まっていると聞き、梶さんもびっくり。そのうち約70%を四国内に、約30%を関西方面に出荷しています。
    たまごを出荷するまでにはどんな工程を経ているのか、大坂さんが工場を案内してくれました。

  • 品質チェックで安心・安全なたまごを届ける

    出荷までには、洗卵・検卵・選別・包装の工程があります。
    養鶏場から届いたたまごは、まず洗卵機を通ります。次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えた55~60℃の湯でブラッシングしながら洗浄し、殻の表面についた菌を取り除きます。
    洗浄したたまごは、雑菌がつかないように乾燥機で乾かして様々なチェックを行います。

  • 「汚卵検知(おらんけんち)」で汚れたたまごをチェックします。続いて、「ひび卵検知」でひび割れをチェック。次に「異常卵検知」で卵に光をあてて透かして、中身の異常をチェックしています。その後、計量して重さごとに分けてパック詰めします。最後に丸いテーブルでパック詰めしたたまごを人の目でチェックします。

  • 「『HACCP(ハサップ)』という食品安全管理の基準に基づいて管理しています。チェック項目が多くて大変ですが、みなさんに安心して食べてもらえるように徹底しています」と大坂さん。
    「スーパーに並んでいるきれいなたまごは当たり前だと思っていましたが、それはみなさんの努力のおかげなんですね」
    梶さんは徹底した品質管理に感心するとともに、携わる方々への感謝の気持ちを改めて感じていました。

  • 大林養鶏場のたまごを味わえるビストロ

    梶さんは大林養鶏場のおいしいたまご料理を味わいに、ビストロ・フィーユ・エ・フェスへ。
    このお店は大林養鶏場の大林信一さんの息子さん、光一(こういち)さんが運営しています。おすすめのたまご料理はオムライスとシフォンケーキです。
    「オムライスはトウモロコシと海藻のえさで育てた鶏のたまごを使い、シフォンケーキは玄米のえさで育てた平飼いの鶏のたまごを使っています」
    光一さんは、料理にあわせて2種類のたまごを使い分けています。

  • たまごの濃さが味わえる半熟たまごのオムライス

    「まずはオムライスから。温かい半熟のうちにどうぞ」と光一さんがすすめてくれました。
    スプーンを入れると、半熟のたまごとライスがからみあった断面が覗き食欲をそそります。
    「うまい。たまごがトロっとしていますね。ソースがかかっているけれど、それ以上にたまごの濃さを感じますね。口の中でたまごのいい香りの余韻が広がりますね」

  • 「フライパンにたまごを入れて半熟状にした上にライスをのせて手早く巻いています。たまごとライスの接点がトロッと半熟になるように仕上げているんです」と光一さんは、オムライス作りのポイントを教えてくれました。

  • 白さが際立つ玄米えさのたまごのシフォンケーキ

    「シフォンケーキもどうぞ」光一さんがオムライスに続いてすすめてくれました。
    「このシフォンケーキは本当に白いですね」玄米のえさのたまごを使ったシフォンケーキの白さに梶さんも興味津々です。熱を入れると一層白さが際立つことが玄米えさのたまごの特徴です。

  • シフォンケーキは、玄米えさのたまごにあわせて、小麦粉ではなく米粉を使うところがビストロ・フィーユ・エ・フェスのこだわり。
    梶さんはシフォンケーキをぱくりと一口。「ふわっふわの食感ですね。見た目が白いので、味も薄いのかなと思っていたけど、しっかりとたまごの味が感じられます」

  • トウモロコシのえさのたまごを使ったオムライスと、玄米のえさのたまごを使ったシフォンケーキ。それぞれのたまごの特徴を生かして、見た目も違うオリジナリティある料理に仕上げたと光一さんは語ります。
    梶さんは、たまごの色の違いやおいしさに、目でも驚き、食べても驚いていました。
    えさにこだわって育てられた鶏のたまご。それを安心して届けるための洗浄や検知。そして、たまごのおいしさを最大限に引き出す料理。たくさんの人たちが携わって、おいしいたまごが食べられることを実感した梶さんでした。

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