LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

第70回 白味噌

地域からニッポンを元気にする、よしもとの一大プロジェクト“あなたの町に住みますプロジェクト”。香川の住みます芸人“梶剛”さんが県産品をレポートしてくれます。

リポーター

うどんのように太く長く愛される芸人を目指しています!これからの梶剛に乞うご期待!

梶 剛(かじつよし)

NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ

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香川県の郷土料理に欠かせない調味料・白味噌。
まろやかな甘みや料理に映えるきれいな黄色を出すために、讃岐の白味噌特有の製法や様々な工夫を行っています。観音寺市のイヅツみそにやってきました。

  • 平安時代に京都から伝わった讃岐の白味噌

    白味噌といえば、香川では正月の「あんもち雑煮」に欠かせない調味料として親しまれています。
    「あんもち雑煮はテレビで全国的にも知られるようになりましたが、白味噌は調味料として昔から地元で愛用されてきました」とイヅツみその辻さん。
    香川のうどん屋さんで定番のおでんに添える「からしみそ」や「サワラの味噌漬け」などがその例です。

  • 白味噌は京都が発祥だといわれ、平安時代の1156年に起きた保元の乱(ほうげんのらん)に破れて讃岐の国に流された崇徳上皇(すとくじょうこう)が都を懐かしんで、讃岐の人に白みそを作らせたことが始まりという説があります。
    当時はお米が貴重だったため、お米をたくさん使って作られる白味噌も貴族の口にしか入らないほど貴重だったそうです。

  • イヅツみそは1931年に創業、現在まで伝統を守りながら味噌を製造しています。戦前は香川県内を中心に販売していましたが、戦後、交通の発達とともに京阪神まで販路を広めていきました。白味噌の発祥の地である京阪神の方々にも親しまれるように、讃岐の白味噌ならではの作り方を工夫してきました。

  • 讃岐の白味噌の独自製法「熱仕込み(あつじこみ)」

    白味噌の材料はお米と塩と大豆。そこにイヅツみそでは水あめを加えています。
    「水あめを加えるから、讃岐の白味噌は甘いんですか」と梶さん。
    「そのように勘違いしている方が多いのですが、水あめは白味噌に美しい光沢をつけるために入れています」と製造部の梅本さんが教えてくれました。水あめは少しの量なので、白味噌の甘さには影響していないのだそう。讃岐の白味噌の甘さは「熱仕込み」といわれる特有の作り方から生まれています。
    白味噌の工程は大きく分けると5つ。
    (1)米を蒸して米こうじを作る
    (2)大豆を煮る
    (3)米こうじと大豆を仕込む
    (4)熟成
    (5)すりつぶして完成
    米こうじと大豆の仕込みを「熱仕込み」という方法で行っています。

  • 梶さんは服を着替えて工場へ。梅本さんが工場を案内してくれました。
    一般の味噌は冷ました大豆で仕込みますが、讃岐の白味噌は煮上がったままの大豆と米と塩とを混ぜ合わせて仕込みます。50℃に保ちながら発酵させます。

  • 「熱いまま仕込むから“熱仕込み”というんですね」と梶さん。
    「熱い状態で仕込むと米のでんぷんが糖に変わりやすくなり、甘みが引き出されます。同時に大豆のタンパク質がうま味に変わります」
    「引き出されたお米の甘さが白味噌の甘さになるんですね」と梶さんも納得の様子。

  • 料理に映えるきれいな黄色のヒミツ

    讃岐の白味噌のもう一つの特徴は、料理に映えるきれいな黄色。まろやかな味はもちろんのこと、きれいな色も調味料に重宝される理由の一つです。
    色をきれいに出すために様々な工夫をしています。

  • 大豆は皮をつけたまま煮ると灰色っぽくなってしまうため、皮を剥いてから煮ています。また、煮るお湯を何回も変えて、大豆の余分な色素を流しています。きれいな黄色は手間をかけて作られていることに梶さんも感心していました。

  • 「白味噌は5つの工程を1日ずつ、1週間で製造しています。一般的な味噌は半年~1年熟成させて出荷しますが、讃岐の白味噌は作って一晩で出荷します。讃岐の白味噌は出来たてがおいしい味噌なんです」

  • 白味噌の食べ方のアイデアが広がる

    「讃岐の白味噌を味わってみてください」とまず辻さんが出してくれた料理は、白味噌の定番料理のあんもち雑煮。ほんのり黄色がかった白味噌の出汁が食欲をそそります。
    お馴染みの味に「餅のあんと白味噌の甘じょっぱさがいいですね。讃岐の正月には欠かせない味です」と梶さん。

  • 白味噌は冬に食するイメージがありますが、夏にもおいしく食べられるようにと辻さんが考案した料理が「枝豆の冷製白みそスープ」。夏野菜の枝豆をすり潰してと豆乳と白味噌を加えています。
    初めての味に梶さんも「香りがすごくいい。枝豆と白味噌が互いを引き立て合っていますね」と驚いていました。

    「枝豆の冷製白みそスープ」のレシピ 新しいタブで開く
    (「かがわの食」Happyプロジェクトサイト)

  • 最後は「白味噌のパウンドケーキ+白味噌アイスクリーム」のスイーツで締めくくり。
    お客様からの正月の白味噌が余っているという声がきっかけで誕生したスイーツだそう。パウンドケーキのアクセントになっている黒豆は、おせち料理で余った黒豆をイメージしています。
    アイスクリームは白味噌を混ぜることで深いコクを出しています。アイスクリームにかかるソースも白味噌のソースというこだわりの一品です。

  • 「めちゃくちゃうまい。白味噌の塩気が味を引き締めている。どんな料理に入れても白味噌の香りが残っていることがすごい」と梶さん。
    パウンドケーキは白味噌を入れることで、しっとり感とチーズのような風味が加わります。

    「白味噌のパウンドケーキ」のレシピ 新しいタブで開く
    (「かがわの食」Happyプロジェクトサイト)

  • 香川県に古くから根付く白味噌を、これからも伝統の味を大切にしていきながら新しいことにもチェレンジしていきたいと意気込む辻さん。
    白味噌の新しい可能性に期待が高まる梶さんでした。

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